2022年02月08日

令和3年度 社会学級 第2回講座(延期分) 「防災講座基本編 地域を知ろう」

日時:1月13日(木)10時〜12時
場所:西多賀市民センター2F 第1・2会議室PTA室

 今回は、昨年9月に非常事態宣言発令のため延期になってしまっていた防災講座を行いました。講師は、仙台市地域防災リーダー(SBL)であり、防災士でもある本校学級生です。先生は地域のことをとてもよくご存じですし、地域のためにいろいろな分野で多くの活動をされており、私たち学級生にとっても大変心強い存在です。そんな先生がSBLになろうと思ったきっかけは、東日本大震災でした。当時民生委員をされていて、担当している地域の方の安否確認に丸2日かかったそうです。先生と同じように、民生委員の方々は発災後直ちに安否確認や避難誘導に向かわれたのですが、岩手・宮城・福島の3県で、民生委員56名の方の尊い命が津波によって奪われました。その経験から、災害時に命を守る行動は人任せではなく、地域に住む一人ひとりが適切な判断や行動ができるようにならなければと強く感じたそうです。

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 まず防災において大切なのが「ハザードマップ」です。ハザードマップとは、災害が発生した時に危険と思われる箇所や災害時の避難場所などを地図にまとめたもので、仙台市には水害や土砂災害の恐れがある区域を記した「仙台防災ハザードマップ」があります。またその他にも、川が溢れた場合の「洪水ハザードマップ」や、大雨により下水排水処理が追い付かず浸水してしまう「内水ハザードマップ」、地震の揺れやすさや、被害を想定した「地震ハザードマップ」などがあります。 
 過去50年で最大級の大雨が降った2019年10月12〜13日の「令和元年東日本台風」の際には、宮城県にも大雨特別警報が発令されました。笊川の水位が氾濫寸前に迫り怖い思いをした学級生も多くいたため、自分や家族の生活区域がどうなっているのか、その当時の状況を振り返りながらじっくりとハザードマップを確認しました。

防災講座写真A.png

 また、講座の中で大変勉強になったのが「認知バイアス」です。物事を判断する際、直感や先入観・固定概念といった思い込みにより、合理的ではない考え方をしてしまうことを「認知バイアス」といいます。災害時にも、これくらいは普通だろう、自分だけは大丈夫、みんなが逃げないから逃げないなど、認知バイアスにより誤った判断をしてしまう危険があります。まずは、人にはそういう誤った判断をしてしまう特性がある事を認識し、家族内でいざという時の避難行動について話し合いをしておくことが大切です。

 そしてもし避難所へ避難したとして、最も困るのが@眠れる環境、Aトイレ、B食事です。そのため、自宅が危険でない限りは、安心して眠ることができる在宅避難が一番とのこと。その備えとして、自宅に安全な場所を作っておく、簡易トイレを用意しておく、日頃からローリングストックと呼ばれる循環備蓄をしておくなど、具体的にやるべきことが分かりました。

 さらに防災訓練についてとても参考になったことがあります。それは、学校での子供の引き渡し訓練の際、通学路をたどりながら、危険な箇所はないか、通行できない状態になったときはどうしたらいいかなどを子どもと一緒に考えるということです。せっかくの訓練なので、子どもを引き取るだけでなく、色々なことを想定し訓練することで、より安全な方法を家族間で共有できると思いました。

 講座の最後には、各自でマイタイムラインを作成しました。マイタイムラインとは大雨災害時の避難計画です。令和3年5月から避難の警戒レベルが変更になり、警戒レベル4までには必ず避難が必要となります。気象情報・避難情報のレベルに合わせ、どのような行動をおこせばいいのか、ハザードマップで自宅周辺の災害リスクを確認しながら避難計画を立てました。ちなみに筆者は、冠水・浸水区域でしたが、自宅がマンションの4階なので在宅避難が適していました。このように、マイタイムラインを作成することにより具体的な準備や行動をはっきりさせることができました。災害対策の基本は同じでも、実際に必要なものや避難行動は、人それぞれ違います。もしもの時、命を守るための正しい行動ができるよう、日頃から心の備えも必要だと感じました。

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 東日本大震災からもうすぐ11年です。東日本大震災では、65歳以上の高齢者の死亡率が全体の約6割で、障害者の死亡率は、住民全体の死亡率の約2倍だったそうです。このように、要支援者の方の死亡率が高いことがわかります。もし手助けが必要な人が近くにいれば、「何かできることはないですか?」と、早くから地域で声掛けをしていくことが大切です。先生は、震災を忘れないためにも、自分と家族とみんなの命を守るためにも、震災の事を伝え続けていってほしいと話されていました。

 先生には、この講座のために、最新のハザードマップや非常時飲料水用のリュック、電灯などたくさんの防災用品をご準備いただき、大変感謝しております。これらは常に自宅に備え活用したいと思います。今回は基本編ということで講座を行っていただきましたが、来年度もまた防災講座の続編を行い、災害時に生かしていけるよう、さらに学びを深めていきたいと思っています。


【お知らせ】
 コロナ感染症の状況次第ではございますが、年度末には子供たちの卒業・進級に向けて、お掃除ボランティアを行う予定です。また、今年度の締めくくりとして、閉講式も行う予定です。現在まだ全国的に感染拡大が続いておりますが、早く減少に転じてくれることを強く強く願っております。

 社会学級は、いつでもご地域の皆さまのご参加をお待ちしております。手軽に学びの体験をしたいとお考えの方、是非お気軽にご連絡くださいませ。
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西多賀小学校 022−245−5355
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記事提供:社会学級運営委員
posted by nishitaga at 14:32| 社会学級